HTMLが登場したのは1989年頃です。そこからいくつかのアップデートを経て、2022年のこの記事を書いている段階で「HTML Living Standard」になっています。このHTMLを開発しているグループがあるのですが、時代の流れで分裂したり新たにグループが結成されたりして同時期に異なるバージョンが混在していました。今はWHATWG(Apple、Mozilla、Operaの従業員)がメインで管理する方向になり「HTML Living Standard」として開発が進んでいます。
目次
HTMLの歴史
バージョン | 年度 |
---|---|
HTML | 1989年 |
HTML1.0 / HTML+ | 1993年 |
HTML2.0 | 1995年 |
HTML3.0 / HTML3.2 | 1997年 |
HTML4.0 / HTML4.01 | 1999年 |
XHTML1.0 | 2000年 |
HTML5.0 | 2014年 |
HTML5.1 | 2016年 |
HTML5.2 | 2017年 |
HTML(Living Standard) | 2021年 |
HTMLが開発される中で突然XHTMLというものが出現します。HTMLはわりとあやふやに書いても大丈夫だったのですが、XHTMLは厳密に書く必要がありXML要素を混ぜたマークアップ言語です。今はもう古いサイトを更新するときくらいしか把握する必要はありません。
2022年のこの記事を書いている段階ではナンバリングを付けるのが終了し、ただのHTMLになりました。今後はまたデバイスの発展とともに変化があるかもしれませんが、そのときは名称がHTMLとは異なるものになるかもしれません。
バージョンの違いで変わること
一言で言ってしまえば使えるHTMLタグが増えて、使えなくなるHTMLタグがあっただけです。HTMLファイルはどのバージョンなのか宣言する必要があるため、HTMLファイルの書き出しを書き換える必要がありますが、作り方が変わるわけではありません。
基本としてHTMLは<開始タグ>
があり、</閉じタグ>
で終わります。閉じタグがいらないこともありましたが今は必ず閉じタグが必要です。
メインで使われるHTMLタグはずっと変わっていません。HTMLタグの分類名が変わったりタグの中に入れていいタグが変わったり多少の変更点はありましたが、バージョンが変わったからと0から学び直す必要はありませんでした。
どちらかと言えばCSSの進化でHTMLタグの組み方が変化していったほうが大きいかもしれません。
HTML Living Standardとは?
管理グループがWHATWG(Apple、Mozilla、Operaの従業員)になったHTML5です。従来はパソコンで見ることがメインでHTMLが発展しましたが、スマートフォンの登場で流れが大きくかわりました。徐々に柔軟性が求められ、マルチデバイスに対応できるようなマークアップ方法が増加します。そんな中でW3CグループがHTML5が策定します。しかし、そのHTML5はWHATWGが提唱する「HTML Living Standard」を元にしていたのです。2021年を過ぎてからはW3Cが標準規格を名乗るのはやめろということになって、今はブラウザ開発をしている側の人間が管理するWHATWGが標準規格となりました。そのため今のバージョンは「HTML Living Standard」ということになっています。
では、この「HTML Living Standard」になって今後どうなるのか気になると思います。今後はHTMLというマークアップ言語がバージョンなどの概念無くただの「HTML」としてグレードアップしていきます。HTML.4や5など宣言が必要だったり構文が変わってしまっていた面倒なことが今後はなくなります。
今後気をつけること
新たな便利なHTMLタグや、ニッチなHTMLタグが日々出現していきます。しかし、まずはテスト段階で仮に利用できるだけだったりするため、突然廃止になるリスクもあります。そして新たに出現するHTMLタグを利用できるブラウザが分かれていることも注意しなければなりません。試しに使ってみてもPC版のChromeは使えるけどiPhoneのChromeでは動かないということもあります。
しかし一般的によく使うタグは廃止されることはまず無いですし、新しいHTMLタグを普通のWEBサイトで使う機会があるかと言うとめったにないです。どちらかと言えばウェブアプリケーションとして機能的なHTMLタグが増えていく流れだと思います。それくらいHTML5には基本的で万能なHTMLタグがすでに実装されています。