CSSを極めるにあたってセレクタの指定方法を熟知するのは必須です。セレクタの指定方法とCSSプロパティはブラウザの進化とともに増えており、昔はJavaScriptで制御していたことがCSSで実現できるようになったものもあります。
セレクタの基本的なことから、あまり使う機会はないけど知っておくと効率が上がるセレクタの指定方法があるのでぜひ覚えましょう。
なお、PC/スマホのブラウザのバージョンで使えなかったりする時期がありますが、最近はメジャーなブラウザであれば基本的に動作します。旧OSのブラウザ(特にIE)は使えないものが多くあるので注意してください。
目次
セレクタとは
CSSを反映させるターゲットを指定する記述箇所をセレクタと呼びます。そしてこのセレクタには独自の名称をつけることができます。独自の名称を付けたい場合にはHTMLタグの内部に「id="ID名"
」と「class="CLASS名"
」を記載できます。CLASS名のみ「class="fruit ringo banana"
」のように複数記載することが可能です
セレクタ{プロパティ:値}
p{font-size:10px;}
p#fruit{background:white;}
p.ringo{color:red;}
セレクタの書き方の種類
結構色々あります。
タイプセレクタ | 要素を一つ指定 |
複数セレクタ | 要素を複数指定 |
子孫セレクタ | 親要素以降の要素を指定 |
子セレクタ | 親要の次の要素を指定 |
隣接セレクタ | 同じ階層直後の要素を指定 |
ユニバーサルセレクタ | 全要素を指定 |
クラスセレクタ | class名を指定 |
アイディセレクタ | id名を指定 |
複合セレクタ名 ※正式名称わからないです | 名称をくっつけて指定 |
擬似クラス | 条件のついた要素を指定 |
属性セレクタ | 属性のついた要素を指定(altとか) |
タイプセレクタの書き方
これが基本的な書き方になります。ひとつの要素を指定する場合に使います。
p{
font-size:100px;
}
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複数セレクタ
これも一般的によく使われます。<h1>
や<p>
など複数のセレクタへ同じCSSを当てられます。クラス名なども複数使えます。”,”
で要素同士を区切ります。
h5,
p{
font-size:10px;
}
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子孫セレクタ
これも一般的によく使われます。”セレクタ セレクタ”と半角スペースで区切ることでセレクタの中のセレクタと指定できます。「子孫」と名付けられている通り、グループ内の全ての指定セレクタがCSSの対象になります。例えば下記のように「.box p{}
」と指定した場合は .box > p > p > p > p … と .boxセレクタ の中の全ての<p>タグ
がCSSの対象になります。
.box p{
color:red;
}
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子セレクタ
セレクタの直下、いわゆる子セレクタだけに反映されます。”セレクタ > セレクタ”と区切ります。孫レベルの階層まで入れ子になっているとCSSの影響を受けません。慣れないと使いにくいかもしれませんが、意外とよく使うので早めに慣れましょう。
.box > p{
color:red;
}
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隣接セレクタ
要素の直後に記述されたセレクタに指定できます。”セレクタ + セレクタ”とプラスでセレクタを繋ぎます。特定のセレクタの次にくる要素のCSSを変更したい場合に指定します。
利用する機会は少ないかもしれませんが不意なコーディングで必要なことがあります。
h3 + p{
color:red;
text-indent:1em;
}
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ユニバーサルセレクタ
HTMLタグ全部のセレクタを指定できます。”*(アスタリスク)”と記述します。子孫セレクタで指定もできます。全体に指定するものなので初期設定として指定することが多いです。コーディングの途中で使うことはほぼありません。
*{
color:red;
}
div *{
font-weight:bold;
}
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CLASSセレクタ
CLASS名のついたセレクタを指定できます。HTMLタグに書かれた「class="CLASS名"
」をCSSに”.CLASS名
”と指定します。
記述方法は2つあり、
.クラス名{}
HTMLタグ.クラス名{}
と記述できます。
.color-red{
color:red;
}
span.color-red{
font-weight:bold;
}
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【余談】同一のCLASS名はページ上にいくつあってもOKです。しかし同名のCLASS名ばかり使っていると後々に混同してコーディングしにくいためユニークなCLASS名と汎用CLASS名を決めておくと良いでしょう。
例えばデザインが固定のカテゴリーリストなら.global-categoryList
とし、よくコーディング中に出てくるリストなら.listなど工夫します。
IDセレクタ
ID名のついたセレクタを指定できます。HTMLタグに書かれた「id="ID名"
」をCSSに”.ID名
”と指定します。
記述方法は2つあり、
.ID名{}
HTMLタグ.ID名{}
と記述できます。
#box-a{
color:red;
}
div#box-b{
color:blue;
}
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【余談】構文ルールとしてID名はページ内で1つだけのユニークなセレクタ名である必要があります。複数あっても見た目上は問題がありませんがJavaScriptなどで思わぬ挙動になることがあります。またID名はページ内アンカーリンクの座標にもなるため、これも同様に複数書いてあると思わぬ挙動になります。
複合セレクタ名(名称わからない)
同一ダグのID名およびCLASS名を複数指定してCSSを当てられます。”セレクタ名セレクタ名”と名称の間に何も入れずに指定します。
これを利用することで同じデザインが並ぶ一部のHTMLタグにのみCSSを当てることができます。例えば.item名
を持つタグの.white名
がついたタグだけ文字色を白に変えたりできます。別に文字色を変えるだけならこのセレクタの指定方法をとる必要はありませんが、JavaScriptでボタンが押された時に.active
を入れて.item.active
を取得したりなど様々なシーンで活躍します。
本来はそれぞれ独立しているCSSですが、特定のセレクタ名を組み合わせたときだけ特殊なCSSを当てることが可能です。
文字では説明しづらいですがサンプルを見ればわかると思います。
.item{
background:gray;
}
.white{
color:white;
}
.blue{
background:blue;
}
.white.blue{
color:black;
background:orange;
}
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下記のように何個も連続してつなげて指定することができます。
.item.item-fruit.bg-red{プロパティ:値}
擬似クラス
特定の条件の要素へスタイルを反映させます。例えばリンクのマウスホバー時の動きを変えたいときに「a:hover
」と記述するとCSSの調整ができます。”セレクタ:擬似クラス
”と:
をくっつけて指定します。
この擬似クラスはいくつかの種類があります。
よく使われる擬似クラスの一覧
:link | 未訪問のリンク |
:visited | 訪問済みのリンク |
:hover | カーソルが乗っているセレクタ |
:active | クリックしたセレクタ |
:focus | フォーカス(選択中)されたセレクタ ※フォームの入力中など |
:first-child | 始めのセレクタ ※リストの一つ目とか |
:last-child | 最後のセレクタ ※リストの最後とか |
:first-line | セレクタの最初の行 |
:first-letter | セレクタの最初の文字 |
::before | 実際は擬似要素と呼ばれるもの。セレクタの直前に独自の要素を挿入できる ※プロパティに content:""; を入れないと機能しない |
::after | 実際は擬似要素と呼ばれるもの。セレクタの直後に独自の要素を挿入できる ※プロパティに content:""; を入れないと機能しない |
擬似セレクタの複数指定
一つの要素に複数の擬似クラスを指定できます。
例えば「リスト一つ目をマウスホバーする」などできます。
”セレクタ:擬似クラス:擬似クラス
”と続けて書くだけです。
ul li:first-child:hover{
color:red;
}
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属性セレクタ
要素に特定の属性が記述されている場合に利用できます。”セレクタ[属性]
”のように[]
で囲んで指定します。
この[属性]
は画像のalt
やtitle
、HTMLタグのclass名など<タグ ***="" ***="">
のようにタグ内に記述できるものを指します。
よく使われるのはフォームタグのCSS調整です。
input[type="text"]{
border:2px solid blue;
}
input[type="email"]{
border:2px solid red;
}
p[class]{
color:red;
}
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指定の構文はいくつかの種類がある
[属性] | 属性名を持つ要素を指定 |
[属性=”値”] | その属性の値を持つ要素を指定 |
[属性~=”値”] | その属性の値を正確に持つ要素を指定 ※半角スペースで区切って複数の値を書ける |
[属性^=”値”] | その属性の値で始まる要素を指定 |
[属性$=”値”] | その属性の値で終わる要素を指定 |
[属性*=”値”] | その属性の値が入っている要素を指定 ※class*=”apple”ならclass=”appleShop”を指定できる |
[属性][属性] | 属性で範囲を付ける ※a[href^=”https”][href$=”.com”]のように書ける |
最後に
このようにセレクタの書き方は数多くあります。これらのセレクタ指定を組み合わせることで複雑なCSSをHTMLタグへ当てることがができることになります。